空中事故の損害は大きい。 衝突した航空機はもちろんのこと残骸が地上に雨のように降るため民家や人などに直撃する可能性も高い。 しかし避けられない問題でもある。
空中衝突というのは珍しい。 また意図的に時速900キロで飛行する2機を衝突させるのはほぼ不可能といえる。 しかしこの問題は滑走路侵入(Runway Incursion)とともにこれから更なる問題となっていくだろう。 これには管制設備が大幅に改良されたものの混雑するヨーロッパでは2機同士の間隔も狭く危険があるとされている。 さらに交通量は世界的に大幅に増加するとされているためだ。
ちなみに去年ミランでおきたスカンジナビア航空とセスナの衝突事故も空港でおきたもので空中衝突ではない。 これは滑走路侵入(Runway Incursion)だった。
ヨーロッパではニアミスが相次いでいる。 今年6月にはブリティッシュエアウェイズの246便(リオデジャネイロ発ロンドン・ヒースロー行き、777-200)と477便(バレンシア発ロンドン・ヒースロー行き、737)がロンドン上空でニアミスを起こした。 2機の距離は平行距離1.5マイル(約1キロ)、高度差200フィート(約66メートル)まで接近した。
日本でも日本航空機2機がニアミスを起こしたケースがある。
上記のニアミスに共通している点は管制官が訓練生だったもの。 今回の事故はどうだったかわからないが訓練生がニアミスを起こすことは少なくない。 訓練官がそばにいるとしても航空機のような高速で飛行するものを管制するには1秒の遅れも命取りとなるからだ。
最近ではヨーロッパのすべての管制を1つにまとめるという案でこれに対し管制官は安全を無視した案だとして反対しストライキを行なったばかりだった。 この事故が皮肉にも管制官の言い分の裏づけとなった。 過去にも空中衝突事故は起きている。
過去の有名な空中事故のケースでは1976年のユーゴスラビアでの事故。 ブリティッシュエアウェイズのトライデントと DC9が高度3万3000フィート(11キロ)で空中衝突した。 この事故では2機が同じインターセクションに向かっていたがDC9が高度2万6000フィートから3万5000フィートに上昇している途中に高度3万3000フィートで巡航していたトライデントと衝突した。 この時管制は2区間に高度差で分けられていた片方の管制官がDC9が上昇していることに気がつかなかったのが要因とされた。
この他には着陸態勢に入ったパシフィックサウスウエスト航空にセスナが衝突した事故など。
交通事故のように空中衝突も避けられない問題だといえる。 原因はなにであれ今のように2機の高度差を減らしたりすることによりニアミスが増える可能性は高くなるし衝突事故も増える可能性もある。 この事故により新たにこの問題が持ち上げられるのは避けられない。 利益を優先するか事故回避を優先するか? これが焦点になっていくだろう。