アメリカへのテロが与える航空業界への損失は大きい。 すでに世界が景気後退という状況で赤字になっている航空会社が多いなかアメリカ全土が飛行できなくなったことで大きな損失を出した。 ここで現実味を帯びてきたのが航空会社の倒産。 現在景気後退で航空会社には予備資金があまりない。 つまり航空機を運航することにより航空券や貨物から収入を得てそれを運航費や燃料費などにあてている。 このキャッシュフロー(資金の一連の流れ)が止まってしまうとお金を借りなくてはいけなくなる。 数億円という規模の航空業界では利子だけでもばかにならない。
テロに巻き込まれたアメリカン航空とユナイテッド航空は莫大な保険金を請求されることは間違いない。 今回の事故は通常と違いビルへ激突した。 つまり乗客や乗員だけでなくビルにいた人々、ビルそのものの損害なども支払わなくてはいけない可能性もでてきた。
いい例がアンセット・オーストラリア航空だ。 数年前までオーストラリア国内線のシェア最大を誇り大阪、香港にも就航、成田やロサンゼルスへも就航することを決めていたのに倒産した。 スタッフは1万6千人いた。 昨年までは黒字だった。 この場合は他にも原因があるが運航停止が響いた。 航空業界は信頼が必要な世界。 飛行機の整備が出来ていない航空会社に乗ろうと思う人はいないはずだ。
一番忙しいクリスマス前とイースターの運航停止が痛手だった。 さらに格安航空会社バージンブルーが参入し乗客をほとんど取られ負債は増加しついに毎日100万ドル以上を損失することとなった。 機体の年数は世界で2番目に古く燃費も悪い。 このような重なりが倒産へ導いたわけだ。
コンチネンタル航空は5万6千人いるスタッフのうち1万2千人を一時解雇することを決めた。 USエアウェイズも賃金削減を決めた。 ノースウエストも一時解雇を考えているという。
株式はというとブリティッシュ・エアウェイズの株は3分の1となりイギリスのイージージェットの株も30パーセント減少、エールフランスとルフトハンザ航空の株も10パーセント以上下げた。 さらに専門家はハイジャックの結果アメリカでこれから6ヶ月に航空機を利用する人は30パーセントから50パーセント減になるという。 全日空は毎日6000万円損失、大韓航空は合計1150万USドル、アシアナ航空は386万USドルとなった。
製造元はというとドイツ銀行の予測によると航空機を製造するボーイング社は2002年の引渡しが515機から390機以下になる可能性があるという。 2003年の予測もよくない。
アメリカ政府は援助をすることも考えているらしい。 航空業界は大きい。 航空会社の倒産は部品を製造する会社、食事(ケータリング)を提供する会社などさまざまな職種の人々が仕事を失うこととなる。 今回の場合は政府介入もいいと思う。 基本的にはよくないが。