火曜の夜11時18分、シンガポール航空の006便、ロサンゼルス行き747-400型機(乗客乗員179人)は台風による突風と強い雨のなか台北国際空港を離陸体制に入った。 離陸速度に達しすこし上昇した際に同機から何かにぶつかったという報告があったという。 またシンガポール航空によると現場にはシンガポール機のものではない車輪の破片があり天候や故障の可能性はないとしている。 目撃者の話によると機体は3つに割れ炎上したという。 乗客はの多くは台湾人やアメリカ人で乗員はシンガポール人と台湾人だった。 操縦士などの3人に怪我はなかったという。
事故から時間が経過し新たな事実が明らかになってきている。 まず出発時間が遅れていた。 006便は5分遅れていた。 台風の接近に伴い気象状況は最悪で風速が30ノットから時折50ノットになっていた。 しかしシンガポール航空が定める規定では50ノットでの離着陸は可能だった。 また視界も不良で事故当時550メートル、空港閉鎖が視界200メートルなのでかなり悪かったことがうかがえる。 管制塔から離陸許可を得た際006便は滑走路番号6を使用する予定だった。 これは同機が注記していたゲート(5番)から近く滑走路長は3350メートル。 しかしパイロットは5Lからの離陸を申請した。 5Lは3660メートルある。 悪天候の為に滑走路長の長い方を選んだと考えられる。 誘導路を走行中に致命的なミスをする。 視界が悪いために緑のライトに従って走行していたが5Lと平行している5R滑走路のところで5Lへ誘導するライトが80メートルほどなかった。 そのためクルーは緑のライトに従い工事中の5Rの滑走路に入る。 ここでまた不幸が襲う。 この滑走路は大型機用ではない為に滑走路に入った747のコックピットからは05という文字しか見えなかった。 小型機なら確認出来るのだが滑走路に入った機体の前部がRという文字を隠してしまったからだ。 この下の部分にRと書かれていたのだが。 しかしクルーはLと書かれていると判断し、離陸を開始する。 この時管制塔からは目視不可能。 ここでまた問題となるのが滑走路には明かりが点灯していなかったということ。 しかし離陸体制に入り時速230キロ以上で障害物に激突。 真っ二つになる。 ロサンゼルスまでは長距離の為に燃料を多く積んでいたのも火災を大きくした原因。 また救助活動も捗らなかった。 風が強い為に鎮火が遅れた。
下記の交信記録はコックピット・ボイス・レコーダーにのこされていた管制塔とシンガポール航空006便の交信記録です。 交信は英語などで行われていたため原文と翻訳を載せました。
SQ6:シンガポール航空006便
CPT:操縦士
F/O:副操縦士
Tower:管制塔
PA:
| 23:15:18 |
| Tower:Singapore six, runway5L wind 020 at 28 gust to 50. Cleared for takeoff(シンガポール6、滑走路5Lから離陸を許可する、風速28から50風向20) |
| 23:15:26 |
| SQ:Cleared for takeoff runway 5L singapore six(5Lからの離陸を許可、シンガポール6 |
| 23:16:19 |
| CPT:We can see the runway, not so bad. OK! I'm going to put it to high(滑走路が見えるからそれほど天候は悪くないな、スロットル全開) |
| 23:16:51 |
| F/O:80 knots(80ノット)(通常のコール) |
| 23:16:52 |
| CPT:OK my control(大丈夫だ) |
| 23:17:08 |
| F/O:V one(Vワン)(これも通常) |
| 23:17:12 |
| CPT:Shit. Something there(くそ、何かに滑走路にあるぞ) |
| 23:17:13 |
| Sound of first collision(衝撃音) |
| 23:17:14 |
| CPT:unintelligible(聞き取れない叫び声) |
| 23:17:14 |
| Sound of Crash(大きな衝撃音) |
| 23:17:18 |
| End of recording |
シンガポール航空は事故のない安全な航空会社として世界の旅行者から愛されていた航空会社だった。 機体は新しいほど安全というポリシーにより機体の年数は航空業界内でもかなり若かった。 機体はながくて6年で売却し最新型機をつぎつぎと導入していた。 アジアのなかで小さな国にもかかわらずシンガポール航空の利益はアジア1である。 またシンガポール航空の歴史で重大事故は1997年の子会社のシルクエアーによる事故以外になかった。 このときは乗客107人が死亡した。 現在世界90都市に就航し就航国は40カ国になる。 サービス面でも個人用テレビを全席に装備したりするなど斬新なサービスを提供している。
747-400は長距離線を代表する機体で製造元はボーイング社。747-100,200の後継者として開発されコックピットはデジタル化され2人で運行できるようになった。 特徴は2階席があることで777-300に全長は抜かれたが世界最大の航空機として君臨している。
この事故機は1997年に製造された比較的新しい機体。 シンガポール航空は747-400にメガトップという愛称をつけていて事故機は特別塗装されトロピカル・メガトップと呼ばれていた。 747-400がこのような重大事故を起こしたのははじめて。